長編小説『貴方がバッハを弾いたその手で俺をイかせて』からベストシーンを抜粋しました。 - エッチでハッピー!!✩★✩ゲイ要素の高いオリジナル小説✩★✩
FC2ブログ

記事一覧

長編小説『貴方がバッハを弾いたその手で俺をイかせて』からベストシーンを抜粋しました。

R18

時正はウワサ通り金持ちの道楽息子で、大学の寮にいるのは男を誘う便宜のためで、俺とだけヤるようになったらサッサとそこを引き払って、個人的に所有しているマンションに俺を連れ込むようになった。広いバルコニーと見事なグランドピアノのある、港が見える部屋。時正はそこにひとりで住んでいる。親が投資用に買った物で、今は時正個人の不動産になっている。時正の両親は金になる事ならなんでもやるような、なん度も警察に捕まっているような類いの人間らしい。風俗関係の店もいくつか経営して、女の働く風俗店とか、金をたくさん持った女しか相手にしない高級ホストクラブとか。それらを疑似倒産させてはまた新しい店を作る、という繰り返しを今でも続けている。

その中心になっている従業員の男が、家にビジネスの報告に出入りしていて、時正は中学生くらいの時からその男に関心を持つようになり、高校生になってなんとかその男を手に入れたい、と思うようになった。それでもその男はバカじゃないから、社長の息子に手を出すなんていうことはできなくて、その男に本気になってた時正は、それで派手な男遊びをするようになった。

実質的には時正の親が経営者の、高級ホストクラブに連れて行ってもらった。男のクオリティーが半端じゃないらしい。そこは新宿のガラの悪い一角で、ワザとそんなとこに作ったみたいなそういう所で、でも店に一歩入ると、内装にも金がかかってそうで、ホテルにあるような立派なバーがあった。俺と時正は一緒に座って、すると即座にその、時正が憧れている店長が席に座った。
「時正さんの学校のお友達ですか?」
男は俺の手を取った。俺はなるほどこの男バカじゃないな、って思って、俺の手どう見ても言葉を覚える前からピアノ弾いてた手だから。でも俺の手を触ったその触り方、その感触、やっぱりこの男セックスの商売を長くやってる男だな、って思わせるものがある。時正の身体に緊張が走る。まだこの男に惚れている。それは確かだと思う。

俺の知ってるファッションモデルの会社とか、それに関連して雑誌社とかイベント屋とかには、表からは見えないけど、危ない橋を渡ってるようなヤツも多い。表だけじゃ食えないから、裏の商売をやっている。それは目を見ると分かる。一般人と違う裏通りを歩いて来た目。あんまり育ちのいいヤツはいない。その男もそんな鋭く光る目をしている。仕立てのいいスーツを着こなして、身体に一瞬のスキもない。時正はさっきその店長が触った俺の右手をワザと握って、男の方を見る。男は確かに女が騙されそうな、魅惑的な微笑を一瞬見せて、席を立つ。

俺はさすがにホストクラブは初めてなんで、なんとなくキョロキョロしていると、時正が俺に囁く。
「お前の好みのヤツここに呼んでやるから。」
若くて可愛い感じのも何人かいるけど、あのいかにもホストです、っていう身なりが、特にヘアスタイルが好きじゃない。そんなんじゃないの、と言えば、なんか俺達に呼んで欲しそうな少し年食ってそうなのも何人かいて、イケメンだけど、人生に後ろ向き、っていう暗い感じがする。後ろ向きなのは人のこと言えないけど、俺にはちゃんとした目標がある。あった。正確に言えば。

計らずして俺は、自分のしていることを振り返る。俺ってなにしてんの?学校へは行ってる。仕事もしてる。宿題もやってる。だけどなんで俺、この男にこんなに支配されてんの?最初は身体だけだった。でも今は?俺は時正の目を見る。ヤツのセックスの魅力が離れがたく頭に焼き付く。問題は、俺は離れられないんじゃない。離れたくないんだ。
「俺の好みのヤツ、さっきの店長。」
時正は笑い声をあげる。
「アイツの指名料、高いよ。」

店長は戻って来て、自分の名前は海と書いて、かい、だってあらためて自己紹介してくれた。時正が笑う。
「あれ、白川さん、また名前変えたの?」
「まあ。気分転換に。」
このふたりの会話の間とか、仕草とか、特別な感情が満ちている。このふたりが結ばれるのは、白川がこの仕事から足を洗った時?時正の両親が引退した時?それとも時正と白川がふたりとも死ぬ覚悟をした時?白川は話しの聞き出し方なんかも上手くて、楽しい話題も豊富で、人の考えてることよりずっと先まで行ってる、みたいな話しの仕方。

散々飲んで、酔って、俺達が帰る時、白川が外の通りまで送ってくれて、時正は軽く白川を抱いて、彼の頬に素早いキスをした。彼はこの男の前ではいつまでも、中学生や高校生の自分に返ってしまうんだろうな、って思った。時正のマンションに戻った。
「あそこで俺達、アイツ呼んであれだけ飲んで、いくら払うか知ってるか?」
俺には見当もつかなかったけど、それはごく普通のサラリーマンの収入3、4カ月分くらいだった。

『貴方がバッハを弾いたその手で俺をイかせて』本編

https://note.mu/3685/n/n67e5b52949ea

スポンサーサイト
[PR]

[PR]

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

新しいウェブサイト!!✩New Website!!✩

新着小説 ☆New Novels!

Japanese → ☆English

テーマ別小説一覧


中性的・女装(15)
『男同士の可愛いラブラブなストーリー』(女装)
『たったひとりの俺の男』
『俺が着たい夢のウェディングドレスと帽子』(女装)
『花の咲く校庭』(女装)
『貴方と俺のハッピーホワイトリムジン』(女装)
『僕の初めてのドレスとつけまつ毛』(女装)
『愛の水没』
『俺のウェディングドレスと金魚すくい』
『なくなった俺の赤いネックレスとあの人の命日』
『俺と彼の結婚式には天井から花をたくさん吊るすの』
『俺の新しいピンクの水玉のビキニブリーフ』
『今だから言うけど・・・』
『男のからだ男のにおい』
『タキシードの方お断り』
『ベンツの新車の一番高いヤツが買えるほどのダイアモンド』

アート・ファッション(15)
『バロックの空に天使が山のようにバタバタしてた頃の』
『遺書のイラスト』
『貴方と俺のハッピーホワイトリムジン』
『俺が着たい夢のウェディングドレスと帽子』
『俺のウェディングドレスと金魚すくい』
『クスクス笑ってる花とウインクしてるペニス』
『男を泣かせる一生忘れられない恋とセックス』
『俺は貴方と愛に満ちた一生を送りたい』
『なくなった俺の赤いネックレスとあの人の命日』
『俺と彼の結婚式には天井から花をたくさん吊るすの』
『一緒に温泉行ってラブラブしよう』
『俺の上等な大人の男』
『男なんて絶対信用できませんから』
『たったひとりの俺の男』

Profile

千本松由季

Author:千本松由季
東京都出身。カナダ在住。
男同士の恋愛を、様々なテーマで書いています。作品は長編を中心に50作以上。
本にしてくださる出版社を探しています。お問い合わせも歓迎しております。
bridgetteyuki@hotmail.com
イラストも描いています。

©Yuki Sembommatsu 2017-2018