長編小説『俺は死ぬ前に愛する男のケツを揉んでから死にたい 』からベストシーンを抜粋しました。 - エッチでハッピー!!✩★✩ゲイ要素の高いオリジナル小説✩★✩
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長編小説『俺は死ぬ前に愛する男のケツを揉んでから死にたい 』からベストシーンを抜粋しました。

R18

あらすじ/作曲家志望の流歌(るか)は有名青年実業家、航青(こうせい)と出会う。かなわぬ恋に悩みながら、危険な裏社会に身を落としていく。

その数日後、また社長に呼ばれて行った。言われた時間に行ったのに社長室は電気が消えていて、ドアにも鍵がかかっている。オフィスに、前に会った新人が一人で残っている。
「俺、社長に呼ばれて来たんだけど。」
「待ってていいですよ。俺まだやることあるし。」
ここの売り専は裏のビジネスで、表向きの商売も一応あるらしい。俺はなんだか知らないし、興味もないけど。

まだ薬が効き始めで、情緒不安定。じっと宙を見ること30分。オフィスを歩き回ること30分。時計を睨みつけること30分。その後、ため息をつき続けること30分。新人は集中力があるらしく、仕事を続けて、文句一つ言わない。しかし、とうとう彼が俺の存在に気付く。
「社長帰って来たら、言っときますよ。なんか用事だったら。」
「俺、金もらわないと家賃払えない。」

それから俺、そこらにあった紙に五線を書いて、宿題をやり始めた。第一バイオリン、第二バイオリン、ビオラにチェロ。弦楽四重奏団。自分自身を救済するための音楽。彩人先生は極端な非常識は嫌うけど、俺は普通にやってるつもりなのに、逸脱してしまうらしい。

最初から4人で一緒にスタートしよう。和音は?リズムは?肝心なメロディーは当分出て来なくて、不協和音だけが続く。ここで天使は100匹くらい地に落ちる。その100匹は捕まって、どうなる?食われる?全員牢屋に入れられる。じゃあ後の200匹は?俺のメロディーが出て来るところまでは生き延びる。でも調子に乗っていると、その200匹もその後に出て来る、俺の不協和音に殺られる。最初の牢屋に入れられた100匹は抜け出して堕天使に変身する。その100匹はまた4つの楽器になってそのまま一緒に進む。200匹も殺すと、後始末が大変。あれって燃えるゴミなの?それとも燃えないゴミ?

「なに考えてるんですか?」
新人が珍しく俺に話しかけてくる。
「今、天使を200匹殺したとこなんだけど、それって燃えるゴミ?それとも燃えないゴミ?」
「なにかのゲームですか?」
「宿題。」
「死んだ生き物は焼却しないと。でもそんなに多いと、東京都に問い合わせる必要があると思いますけど。」
彼は極真面目に答える。
「分かった。ありがとう。」

その生き残った堕天使、意外と美しいメロディーになって、リズムになって、和音になって、俺のことを救済してくれる。俺の背中に羽が見える?羽が見えるようになるまで、このメロディーは続く。長い長いメロディー、繰り返しは一切許されない。そのメロディーは一つの物語だから。一つのことが起こって、その次につながり、また次のことが起こって、その次につながる。だからそこには繰り返しがない。戻ることはできない。繰り返しがないから。そのメロディーは何小節続くの?制限時間は30分。そのメロディーは10分続く。繰り返しなしで。俺の背中に羽が見えるようになるまで。

麗士(れいし)のことを思い出した。彼に電話しよう。
「麗士、俺、今新しいの書いてるから、明日メールするから。天使が200匹死んで、都に問い合わせて焼却処分にする話しだから。あとの100匹?あとの100匹は堕天使になって、でもちゃんと生き延びる。俺の背中に羽が見えるまで。うん、ありがとう。じゃあ。」

「今の誰ですか?」
「今のはね、俺の曲に詞を付けて歌ってくれる人。ラップシンガー。若い子。俺もう帰ろう。帰ってこれパソコンにインプットしないと。」
「俺、車で来てるから送って行きますよ。よかったら。」
「遠いよ。」
「いいですよ。」
「ありがとう。」

この新人、意外といい車に乗ってる。
「これってベンツ?」
中に入ると、新品の車のにおいがする。
「そうですけど。一番安いのですよ。作曲されてるんですか?」
「勉強中。大学生。」
車が高速に乗って、急に速度が増す。俺は、俺の天使、航青(こうせい)のことを思い出す。しばらく黙っていた彼が俺に聞く。
「社長のこと好きなんですか?」
「金のため。」
今夜、社長とヤるつもりだったのに。まあ、いいや。家に帰ってやることあるし。
「俺、今情緒不安定だから、病院に通ってる。」
「だから社長、貴方のことがあんなに好きなんですね。」
「なんで?」
「純真で。あんまり俺達にはいない人種。」
「俺達?」
「俺達、ヤクザ。金と力の世界。」


『俺は死ぬ前に愛する男のケツを揉んでから死にたい 』本編

https://ehappy888175296.wordpress.com/2018/06/18/%E3%80%8E%E4%BF%BA%E3%81%AF%E6%AD%BB%E3%81%AC%E5%89%8D%E3%81%AB%E6%84%9B%E3%81%99%E3%82%8B%E7%94%B7%E3%81%AE%E3%82%B1%E3%83%84%E3%82%92%E6%8F%89%E3%82%93%E3%81%A7%E3%81%8B%E3%82%89%E6%AD%BB%E3%81%AB/


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千本松由季

Author:千本松由季
東京都出身。カナダ在住。
男同士の恋愛を、様々なテーマで書いています。作品は長編を中心に50作以上。
本にしてくださる出版社を探しています。お問い合わせも歓迎しております。
bridgetteyuki@hotmail.com
イラストも描いています。

©Yuki Sembommatsu 2017-2018